環境地盤工学椋木研究室で学ぶ事柄

1.「自分が出した実験データに責任をもつこと」を学ぶ。
2.「異分野を含む第三者に理解してもらうための苦労」を知る。
3.「実験データから仮説を立て、その仮説を証明するために実験を計画し、実行する」
  ことを学ぶ。

4.「自分で学ぶこと」を学ぶ。

卒業論文・修士論文研究における心構え: 

1. 実験は再現性が要

・実験データの「再現性」はとても重要。しかし,再現性のある実験データを得る ことはそう簡単なことではないのです。

2. 実験データを出した時点から何かが始まる

・よく、一次データだけ持ってきて喜んでいるが、実は本当の面白さは、表やグラフにまとめた実験データを眺めているところから始まるのです!

3. 真の解は神のみぞ知る

・実験を行っていると頻繁に壁にぶつかります。これを乗り越えるための「教科書」はどこにもなく,自分の頭で考え,同僚や先輩と相談して対処するしかないのです。

・すでにわかっていることを実験的に再現してもそれは学習。だから,単に装置を操作するだけでは研究を行っていることにならないし,「装置を操作する能力」が「研究能力」なのでもないのです(ここを勘違いしてはならない)。研究とは,用意されていない答えに近づくために粉骨砕身する行動です。

4. 研究者の責任と不可欠なスキル

他人にわかりやすい表やグラフを書くのも,なかなか大変なこと。修士になってもよく意味不明なグラフを見ます。

自分の研究の
「意義(背景・目的)」
「実験方法(解析手法)」
「結果(実験・解析)」
「考察」
「結論」

の全てが,結局は「言葉」で表現せねば他人には伝わりません。文章を練り,プレゼンテーションを周到に用意するのに汗を流さねば,自分が骨を折ったことがらが他人に伝わらないのです。自分が行った実験を他人が追試できるよう実験方法を正確に書くのは,一筋縄ではない。でも、それはやってみればすぐわかります。日本人なのに日本語がかけないことを思い知らされることもあるでしょう。世界的にも著名な研究者は、そのプレゼンが非常にわかりやすいのはなぜか?それはそれだけ練習し、ものすごい入念なチェックを複数人でやっているからです。

5. 情報を正確に読み取る

・図書館に行けば文献・参考書が手にはいるし,今はインターネット上でも色んな文書を手に入れることはできます。しかし,それらを正確に「読む」ことができなければ情報にアクセスしたことにならない。コピーをして文献を集めて、文献検索をしたと勘違いしている人がなんと多いことか。しかも,ほしい情報は日本語で書かれているとは限らない。卒論・修論で研究テーマをちゃん勉強したかどうかは、既存の研究部分の内容で決るといっても過言ではないのです。

6. 研究のオリジナリティー(セールスポイント

「研究」は、ほとんどの場合「既存の研究」の上に成り立っています。自分の研究の意義(新しさやオリジナリティー)は,過去の研究との比較で初めて明らかになる。すなわち、ニーズとシーズをわきまえないと、シーズばかり追いかけてニーズがなければその研究価値は半減することもあります。しかし、もちろん、今ニーズがなくとも将来考えられるニーズであるかどうかも検討する必要はあるのです。こういう点を踏まえながら、。

「どういう点が新しいのか」
「何を初めて明らかにしたのか」
「何を初めて成し遂げたのか」


といった点を日々考えてほしいと思います。

「新規性」や「オリジナリティー」という名で呼ばれるものがその研究の価値の大半を占めます。したがって,高価な装置を使った研究が優れた研究であるわけではなく,安価な装置を使った優れた研究はいくらでもあるのです。
 新規性の高い研究は、はじめは理解されないことも多いため、学会発表の場では槍玉にあげられることもあります。しかし、そこで屈することなく、自分が想定した問題を解決するために前進する過程の中に新たな発見もあるのであるのです。

7. 研究はひとりでは行えない

・「研究」はひとりの力で行えるものではなく,仲間の協力が必ず必要となります。研究室での生活は集団生活であるから,ルールを守らないと仲間達に大きい迷惑がかかることがあります。したがって、椋木研究室では、実践五項目を暗記し、これを守らない者は研究をさせないことになっています。