パターン認識を用いた移動ベクトル

 3軸圧縮試験等で、初期の状態から徐々に軸力を掛けていくとそれに伴って地盤の物性が変化していきます。 それをX線CTで撮影するわけですが実験後に物性マーカが移動した場合、その移動ベクトルを計測する必要があります。 今回は、パターン認識のテンプレートマッチングの技法を用いて、その画像の移動を検索するプログラムを作成しました。 現在のところ9割強追跡可能ですが、画像マーカの移動範囲を設定すれば、100%追跡できます。

1.事前に、X線CT画像を bmp 画像に変換しておきます。 また、CT値により上部ペデスタルや下部の
  土台にヒットする確率が高いので、下右図のように事前に消去します。

2.実験前の画像に PAINT で座標には赤丸、ボックスには青丸(左上,右下)
  を設定し、16色ビットマップで仮に ini.bmp で新規保存(右図)する.
  c>
bmp-xy ini でボックスおよび初期座標を確定します。
  実際の処理は、
   ・ini.bmp   ---> bmp-xy ---> temp      (画像を数値へ変換)
   ・temp    ---> get-red ---> temp.out    (青丸,赤丸のみの抽出)
   ・temp.out ---> chain  ---> pattern.dat  (赤丸の要素数と重心計算)

  以上で座標を設定し終えました。 次に、形状をパターン認識により自動
  検索します。
3.実験前・後の bmp 画像データを ascii データへ変換します。
  c>
bmp-val init.bmp / aft.bmp

4.
パターン認識による形状検索
  c> pattern init aft

5.移動ベクトルを図化するため、適当なアプリケーションへデータ変換します。
  c> pat-cnv

  これで、実験後のマーカの移動量が抽出可能です。 下左右図のように実験後は、CT値濃度も違ってきますのでヒットするのは難しいですが、移動可能範囲を設定することでクリアーできました。 以上の手順により、座標設定から移動ベクトルまで10分以内で抽出可能です.
実験前の供試体
実験後の供試体
移動ベクトル図
 移動量ベクトルは、見やすいように2倍に拡大表示してあります。 また印刷すればベクトル線はきちんと見えます。
最適な三角形を抽出
せん断ひずみ分布