研究課題

当研究室では,構造物に関連する様々な現象の解明を取り扱っています.その代表的なものを以下にまとめます.

興味のある方は,ぜひ当研究室をご訪問ください.

橋梁,橋脚の耐震性能に関する研究

例1) 鋼製橋脚(部材)のFEM解析

構造物の限界状態での挙動を調べる研究を行っています.鋼製橋脚基部が有する耐震性能,鋼トラス上弦材のような軸圧縮力が卓越する部材の耐震性能,などを対象としています.

例2) 橋梁の地震応答解析

現在,精力的に検討している内容として,2016年熊本地震によって被災した橋梁の被災メカニズムの解明が挙げられます.

例3) 長大橋の耐震実験

長大橋の耐震性能を判断する上で,耐震解析は非常に有用な手段であるが,なかなか検証されていないのが現状である.

しかし,実物大を実験することも併せて大変難しい.本研究では,模型レベルとはいえ,なるべく大きな試験体を製作し振動台による耐震実験を行い,数値解析法の検証が行えるデータを取得したいと考えている.

例4) 上下部一体鋼ラーメン橋の耐震診断

隣接構造の関係で,建築限界を妨げないようにするためには,どうしても桁とラーメン橋脚を一体化せざるを得ない状況がある.本研究では,このような構造形式に対して,過度に耐震安全性を保有させることなく,全体系として十分な耐震安全性を有する構造形式とするための種々の検討を行っている.

現状では,橋軸方向の耐震安全性を検討するだけにとどまっているが,橋軸直角方向や実地震動に近い現象での耐震安全性を評価する予定である.

また,このような複雑な構造形式では,入力地震動に対して変形が複雑となることは容易に想像できる.鋼構造に特徴的である板構造に複雑な外力が作用した際の変形能力や耐荷力についても種々の検討が必要である.

例5) 橋梁が3次元地震動を受ける際の挙動の解明

橋梁は,一般的に線的につながれた構造物で,いわゆる橋軸方向,橋軸直角方向が存在し,地震時の揺れ方に異なる特徴を有する.また,桁と橋脚は支承を介して結ばれており,接続条件は支承の形式によって様々である.

一方,地震動は断層から発生した波動が基盤や表層地盤を通過し,波動が複雑に重なり合い,3次元的な成分を有する.

このような状況では,従来の橋軸方向の設計,橋軸直角方向の設計といった枠組みでは解決できない問題が生じる.

そこで本研究では,特に鉛直動の入力が橋梁に及ぼす影響に着目しながら,橋脚の耐震設計に必要な性能を見抜くことを目指している.

例6) 2016年熊本地震における被災橋梁の被害分析

2016年4月熊本では,震度7を計測する大きな地震が生じた.その結果として,数多くの橋梁が被災した.本研究では,被災状況の記録,および,分析を行い,橋梁の耐震設計をさらに発展させるべく様々な取り組みを行う.

構造物と種々の現象との連成効果に関する研究

例1)集中豪雨時の橋脚の沈下現象に関する挙動解明

近年,集中豪雨によって,河川を跨ぐ橋梁に設置された橋脚が沈下する現象が報告されている.平成24年九州北部豪雨では,阿蘇市を流れる黒川を跨ぐいくつかの橋梁にも同様の被害が生じた.この研究では,その沈下現象を説明するメカニズムを解明するために数値解析による試みを行っている.

本研究では,さらに模型実験での再現も今後手がけたいと考えている.

例2)地震動を受ける埋設鋼管の挙動解明

土中に埋設されている鋼管は,ライフラインを形成する重要な構造物の1つである.地震動が作用した時,鋼管は,土の動きに追随することで変形が生じる.一方,非常に大きな地震動が作用した時,土中表層では,土の動きが材料的な非線形性を伴い,非常に複雑に動く.その結果,埋設管も大きな変形を伴う可能性がある.特に,曲管のように曲がっている場合は顕著となることが予想できる.

本研究では,構造物の非線形性もさることながら,土の非線形性も考慮した数値解析により,巨大地震を受ける際に,鋼管にどのような変形が生じるかを解明する.

例3)波力を受ける薄肉鋼構造物の変形現象

例えば,円筒形をなしている石油タンクなどは,非常に薄肉な鋼で形成されている.これに対して,地震動が作用し,かつ,津波のような非常に大きな波力が作用した際,局所的な座屈を伴い,損傷することが予想される.

本研究では,構造物の材料非線形や幾何学的非線形を考慮の上,地震動および大きな波力が作用する際の鋼構造物の挙動を数値解析的に解明する.

近代土木遺産の調査、保存活動

例) 損傷した石橋の補修・補強法に関する研究

損傷する石橋は多数存在していますが、その健全性を評価する方法はありません。損傷する石橋を再現した模型実験や石橋に使用されている石材の材料試験、数値解析により、その評価方法を検討します。

図:石アーチの載荷試験 図:損傷した石橋の現地調査

高速道路における霧除去に関する研究

例) 親水性塗料を利用した防霧ネットの開発

高速道路上で霧が発生すると交通規制が起こり,それを最小限に抑える対策法が必要とされている.対策として,防霧ネットとなるものが使用されており,本研究は,防霧ネットの改良として断熱塗料をネットに塗布し,防霧ネットシステムとして開発するものである.

高速道路用防霧ネット 実験風景