☞避難動シミュレーション

2007

集客施設における避難行動シミュレーション

 近年、災害に対する認識の甘さや、地震時における避難誘導マニュアルが確立されていないことによる避難の遅れなどの問題が頻発している。このように、防災対策には構造的補強等のハード面からの対策のみならず、人間の災害時の行動を予測したソフト面からの対策が必要不可欠である。さらに、平面構造に比べ多層構造物では、階段を利用する点から階段付近での群衆の滞留が起こり避難が困難になることや、火災の発生により避難経路が限られるといったような問題が発生するため、避難誘導マニュアル作成の際には留意すべきことが多い。そこで私たちは、セルオートマトン法を用いて多層階から成る集客施設において避難行動シミュレーションを行い、その結果を避難誘導マニュアル作成の一助とすることを試みている。

☆セルオートマトン法とは?

天神地下街…福岡市の天神地下街です。現在は拡張されて、これより大きいです。

福岡市地下鉄駅…福岡市地下鉄の駅を類型化しモデルを作成しました。駅の形状によ                     って島式と相対式の2種類に類型化しています。

★過去に作成した集客施設のモデルたち…

熊本鶴屋百貨店…熊本市にある百貨店をモデル化しました。これは1F部分です。

ここでは、過去に避難行動シミュレーションを行った際に作成した集客施設を紹介します。

 セルオートマトン法は、米国の数学者ノイマン(J.Neumann)によって考案された、離散的な状態がある決まった規則に従い離散時間で変化する数理モデルです。今日では、生態・遺伝現象、物理・化学現象、材料・交通・電子回路特性、社会・経済現象などに幅広く適用されています。