☞リスクマネジメント
1.概要
現在、社会は高度化、複雑化などに伴って、地震や台風(自然災害)、テロ(人為的災害)といった多くのリスクが存在している。そのような中で日本の土木分野が扱う社会基盤は,運輸関連施設,エネルギー,ライフライン関連施設などの公共性の高い施設が多く,災害が発生すると多大な人的損失、物的損失を受けることが予想される。このようなことから、減災を目的とするリスクマネジメント(以下RM)に関する研究は急速に進められている。しかし、社会基盤施設の運用においては,そのRMの範疇に含まれると考えられる課題は多種多様であり,RMという道具を活用する際の合意形成や体系化が十分になされていない。こうした現状を踏まえ,本研究では,様々な組織で実践されている危機対応やRMを調査及び評価し,特徴,課題を明確化している。そこから社会基盤におけるリスクマネジメントシステム(以下RMS)の一案を作成することを目的とする。
2.内容
兵庫県南部地震を契機に2001年3月、企業や公的組織等を対象としたJIS規格JIS Q2001「リスクマネジメント構築のための指針」が制定された。この規格を基に独自にチェックシートを作り、組織の担当者にチェックシートを埋めてもらうことでシステムの評価をしている。
3.JIS規格JIS Q2001「リスクマネジメント構築のための指針」
この規格は、兵庫県南部地震を契機として2001年3月20日にJIS Q 2001が制定された。これはISO9001、ISO14001(品質・環境マネジメントシステム)と同様にPDCA(Plan-Do-Check-Action)のサイクルで構成されているが、JIS Q 2001はRMS構築のためのルールと骨格を提供しているものであって認証規格ではない。
社会基盤におけるリスクマネジメントシステムの調査研究