2011年3月
title/もっと素直に
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2004年9月末―東京。21時を少し過ぎた頃。
部屋には、何かを考え込む人、パソコンと向き合う人、打ち合わせをする二人がいる。
とても静かな空間で、ラジオから微かに届くのは、BGMに乗せた今日の出来事。
ひとり作業をしながら、壁に貼ってある紙に目を留めた。
物事を考えるとき、デザインを悩むとき、脳みその収拾がつかなくなることがある。
こんなときは、やっぱり原点。あらためて、そう思った。
熊大では、言いたい事は三つ。一度、念を押すところがなんとなく、らしく思う。
むずかしいことをやさしく
やさしいことをふかく
ふかいことをゆかいに
ゆかいなことをまじめに書くこと
どこか通じるところのある、井上ひさしさんの言葉。
そこにはいつも、相手(ひと)がいる。きっと、そういうことなのだ。
忘れることのない、2011年3月。今出来ることを信じて。
なるべく素直に、もっと素直に
photo&text/Kota MASUYAMA