2007年6月
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規範
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写真は大学一年の冬(暦では春)頃に国内をブラブラ旅しながら、建築物を見ていた時に、神奈川県の葉山で撮った写真です。神奈川県立美術館葉山館の裏手にある海岸から海を眺めていたら、雲間を光が貫いていました。
僕が大学に入って、今この研究室に所属する事になるきっかけとなったのはミース・ファン・デル・ローエのファンズワース邸とル・コルビジェのサヴォア邸をある雑誌で見て、こんな素敵な建築物が作れるんだという感動でした。
コルビジェはモデュロールという理論を提唱しました。かなり局所的な見方ですが、きっと彼は建築物と人がもっと近くなれればと考えたのだと思います。彼の唱えた5原則・作品からそういった印象を受けますが、彼の唱えた都市は彼の作った建築物ほどに人に近く美しいものではありませんでした。
都市やその景観がもっと僕等の近くにあれば。そんな想いがあります。そんな提案の出来る人間になりたい。僕等のスケールを遥かに越えたものをもっと身近に感じるための努力が出来る世界で学んでみたい。
日本の都市景観。彼の弟子である前川國男が絶望し、その弟子である丹下健三が妥協したこの世界にある闇は、深く底知れないものであるだろうし、今も多くの優れた方々が試行錯誤しながら立ち向かっているモノは、巨大かつ強固でありながらわずかな要因で姿を変えてしまう不安定さを持っています。並みのタフさじゃ対峙することさえ叶わないのかもしれません。
しかし光なしには闇は存在しないものです。光を目指して僕は、そんな深淵へ立ち向かう第一歩をこの研究室で踏み出せたらいいなと思います(約0.89ftの足で)。
photo&text/
Nobuaki HASUO