研究内容 
  水は私たちが生きていく上で不可欠なものです。しかも、水は”ただ有ればよい”のではなく、その”質”がよくなければ飲むことはできません。水質環境学研究室では、かけがえのない水の質、すなわち水質を守り、維持し、そして改善するための様々な研究を行っています。

嫌気性アンモニウム酸化細菌の窒素除去技術への応用に関する研究

 嫌気性アンモニウム酸化(Anammox)細菌は、ごく最近発見された特殊な能力を持つ細菌です。私たちの研究室では、淡水性Anammox細菌や海水性Anammox細菌など、様々なAnammox細菌の適用による優れた窒素除去技術の確立に関する研究を行っています。

MBRの水処理技術への応用に関する研究

 メンブレンバイオリアクタ(MBR)は、微生物によって浄化された水を非常に細かい穴を有する膜(メンブレン)でろ過・分離することにより、沈殿法では得られないような高い水質の処理水を得ることができます。研究室ではMBRの応用による新しい水処理方法の確立に関する研究を行っています。
             

硝酸性窒素をはじめとする地下水汚染とその対策に関する研究

 熊本市周辺では、飲料水のほとんどを地下水でまかなっています。地下水は、世界的な水資源としてその重要性が増している一方で、硝酸性窒素をはじめとする地下水汚染が懸念されています。地下水の汚染実態を明らかにするとともにその対策に関する研究を進めています。

生命体の維持に関わる元素や有機物の広域に亘る輸送と形態変化に関する研究

 生物の成長や体内調整に関わる元素と有機物について陸地、河川・地下水、沿岸域の間での広域スケールでの輸送と各水域内での物質の形態変化に関する研究を主に行っています。生命活動において重要な元素が生物体や非生物体の懸濁物質、溶存態、堆積物などへと変換されていく現象を観察し、将来的な水質環境の変動予測に役立つような物質動態のメカニズムの解明に取り組んでいます。