2007年11月
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壁を持たないインターフェース
comment/
ジャンベという楽器を叩き続けてはや2年半。
長い間同じ事をやり続けてゆくには、好きといった気持ちだけではなく、
ある思想が必要になってくるものだと思う。
その思想が生まれたのは今年の7月。
ジャンベの神、ママディー・ケイタ氏との出会いがきっかけだった。
それまでジャンベを叩く意義について悩んだり、表現者としてのあるべき自分の姿をうまく思い描けずにいたのだが、
その全ての答えを得られるとは思ってもいなかった。
優れたドラマーの思いは、手を伝い皮を振動させ、空気を伝って人に届き、言葉にまで昇華される。
彼のジャンベの音色はまさに言葉、人種の壁を持たない言語『ジャンベ語』であった。
この時初めて、『音楽に国境はない』という言葉を理解した。
そして、ジャンベは楽器である以上に、人と人をつなぐインターフェースだという考えが私の中に生まれた。
それがまさにジャンベを叩く意義であり、自分の表現者としてのスタイルでもある。
きっと一生ジャンベを続けていくんだろうなと思う。
彼はまた最後にこう話した。
We don`t need gun.
We don`t need fight.
We need “together”.
今世界は、様々な問題を抱えている。
壁を持たないインターフェースは、そんな混沌とした世界を繋ぐ大きな力となるに違いない。
もはや痛みはない
photo&text/
Yoshifumi YAMASHITA