2007年12月
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20代と緊張感
comment/
・・今はただ、その空間に身を浸せばいい。
少し前になるけれど、こんな表現に出会った。
その空間に身を置くだけで満たされていくような心地よさを感じた。
しかし、それは自分の経験の範囲でしかない。当然だけど、私の経験したことのない、違う感覚が、この表現には含まれているだろう。
『・・多感な20代を緊張感を持って生きていけるかどうかが、それ以降、とりわけ40代−50代に自分らしい生き方を貫けるかどうかの分かれ目・・』
著者は世界的な建築家。この本を、初めて読んだ時、私は大学4年生だった。書店で、この本を立ち読みしながら、なぜだかわからないが、すごく焦ったことを今でも覚えている。
もちろん、この言葉が全てという訳ではない。でも、その時の私には、なんだか、とても印象に残って、その後も、ずっとどこかに何と無く、残ってきたように思う。
20代も終ろうといている今、久々に読み返すと、とても大きく幅広いことが「緊張感」の一言に集約されているように思う。
ピンと張っているからこそ、小さなことにも振れることができる。経験や様々な出会いから、得ることができる。その積み重ねが、関わった仕事、仕事の仕方、言葉の使い方、話し方、声色、立ち振舞い・・・何気ないことの端々にまで表れ、その人の魅力となるのだろう。
先を生きる人たちをじっと見ながら日々を過ごし、時々、同世代の友達と飲みながら、話しながら、自分自身を確かめる。そんな今と、自分が今、感じ取れることを思うと、やっぱり「緊張感」なのかなぁ、と思う。
photo&text/
Yoko MOHRI