Admission 学生募集

研究室配属を考えている4年生の皆さんへ

椋木研究室では,土質力学,地盤工学,流体力学を基本として,地盤汚染問題,化石燃料の抽出に関する技術開発を目指した研究,廃棄物処分場における遮水バリアに関する諸問題を扱っています。これらに加え,海外の大学との共同研究,企業との共同研究,他大学との共同研究も行っています。椋木研究室で学べることは,下の記事に書いてありますので,それを参考にしてください。もし,何かやりたい研究があれば,持ち込んでもらっても相談には載りますので,楽しみにしています。現状の研究テーマは,以下のような内容を修士学生が継続しています。

オイルサンド中の油の回収効率を改善を目的としたWormholeの発生メカニズムの解明
鉄鋼スラグの力学特性の解明
超音波エネルギーを利用した油汚染地盤の浄化手法の開発
格子ボルツマン法を用いた地盤内二相流動現象の解明

改たに取り組みたい基礎研究としては

間隙構造モデルから粒子材料の骨格構造の評価する画像解析手法開発
粒子の配向性から力学モデルを構築する

少し地盤工学よりの研究にも力を入れていきたいと考えています。

できれば,自分が何をやりたいのかをクリアにした状態で研究室に来てもらいたいと思っています。クリアにならずとも,クリアな状態になるように事前に努力をしてほしいのです。これまでは,与えられた講義を受け,単位を取ってきた君たちですが,研究室に配属すると自分で研究を組み立てていくスキルが求められます。自分で考えて行動しようとしなければ,何も進みません。研究とは,これまで君たちが培ったことを使って,未解明なことを明らかにすることです。誰かがやったことを真似するような内容では研究とは言えません。この意味において,自主性を高める研究室生活になると確信しています。

椋木研究室を希望する学生さんは,是非大学院進学まで果たして,十分な社会人基礎力も身に着けて熊本大学を卒業していってほしいと思っています。
面会を楽しみにしています。

椋木研究室で学べる事

1-3年生の皆さんへ

椋木研に所属すると以下のことが得意になるはずです。。

  • 発表(しゃべり)が上手になる
  • 土質実験・土質力学が好きになる
  • 海外に行きたくなる
  • 仕事の段取りが上手になる
  • 全国大会レベルの概要はうまく書けるようになる
  • 国際会議レベルの論文を仕上げられるようになる

 土質力学が嫌いな人、大歓迎です。現在の研究室の学生は、初めは土質力学嫌いな人たちばかりでした。しかし、学生実験の準備、4年生ゼミ、卒業論文を通して、卒業する頃には土質力学が大好きになった人たちばかりです。ゼネコン、コンサルを希望する人は、土質力学ですから、土質が苦手な人こそウェルカムです。

椋木研に入るとこんな思いもします。

  • ガツッとマジで叱られ、へこみます。
  • 資料のコピーをさせられることもしばしば。
  • よく「ぱしり」で使われます。

椋木研究室では、指導教員は時に鬼軍曹ですので、ただ単に研究室の雰囲気が楽しそうとかいうのりだけで我が研究室を選ぶと後で後悔します。椋木研究室では「よく学んで」、「よく飲んで」、「よく食べて」、「よくしゃべって」、「よく我慢」をしてもらいます。

大学院から学びたい方へ

  1. 大学院生活で養う能力とは、
      自ら問題を見つけてそれを解決する方法を見出し,
      その成果を他人に正確に伝える能力こと
    自ら、問題を設定あるいは提起する能力
    自ら、設定(提起)した問題を解決するための実験を計画する能力
    自ら、実験結果から読みとった現象や傾向にもとづいて「仮説」を立てる能力
    自ら、その仮説を証明するための実験を計画そして実行する能力
    自ら、論理を展開し,文章で表現し,また,プレゼンテーションする能力
  2. 上記能力を養うための具体的方法

    • 学会発表
    • 研究会などでの口頭発表(ポスター発表よりも口頭発表がベター)
    • 学術雑誌(もちろん英語論文を含む)の執筆・投稿

 これらを目標として経験することがら全てのなかで自ら学んでいきます。つまり、教えてもらうだけではないということです。学外の方は、学会先などで私を見つけましたら(セッションなどで発表している、質問しているところ)、是非捉まえてください。できれば、事前にメールで連絡をいただけますと、十分な時間を持てるかと思います。

社会人博士後期課程を考えている方へ

もし、興味があれば是非一度、メールで構いませんので、椋木にコンタクトしてください。

研究室に所属したら・・・

  1. 「自分が出した実験データに責任をもつこと」を学ぶ。
  2. 「異分野を含む第三者に理解してもらうための苦労」を知る。
  3. 「実験データから仮説を立て、その仮説を証明するために実験を計画し、実行する」ことを学ぶ。
  4. 「自分で学ぶこと」を学ぶ。

卒業論文・修士論文研究における心構え

実験は再現性が要 実験データの「再現性」はとても重要。しかし,再現性のある実験データを得る ことはそう簡単なことではないのです。
実験データを出した時点から何かが始まる よく、一次データだけ持ってきて喜んでいるが、実は本当の面白さは、表やグラフにまとめた実験データを眺めているところから始まるのです!
真の解は神のみぞ知る? 実験を行っていると頻繁に壁にぶつかります。これを乗り越えるための「教科書」はどこにもなく,自分の頭で考え,同僚や先輩と相談して対処するしかないのです。すでにわかっていることを実験的に再現してもそれは学習。だから,単に装置を操作するだけでは研究を行っていることにならないし,「装置を操作する能力」が「研究能力」なのでもないのです(ここを勘違いしてはならない)。研究とは,用意されていない答えに近づくために粉骨砕身する行動です。
研究者の責任と不可欠なスキル
  • 他人にわかりやすい表やグラフを書くのも,なかなか大変なこと。修士になってもよく意味不明なグラフを見ます。
  • 自分の研究の
    「意義(背景・目的)」
    「実験方法(解析手法)」
    「結果(実験・解析)」
    「考察」
    「結論」

の全てが,結局は「言葉」で表現せねば他人には伝わりません。文章を練り,プレゼンテーションを周到に用意するのに汗を流さねば,自分が骨を折ったことがらが他人に伝わらないのです。自分が行った実験を他人が追試できるよう実験方法を正確に書くのは,一筋縄ではない。でも、それはやってみればすぐわかります。日本人なのに日本語がかけないことを思い知らされることもあるでしょう。世界的にも著名な研究者は、そのプレゼンが非常にわかりやすいのはなぜか?それはそれだけ練習し、ものすごい入念なチェックを複数人でやっているからです。

情報を正確に読み取る 図書館に行けば文献・参考書が手にはいるし,今はインターネット上でも色んな文書を手に入れることはできます。しかし,それらを正確に「読む」ことができなければ情報にアクセスしたことにならない。コピーをして文献を集めて、文献検索をしたと勘違いしている人がなんと多いことか。しかも,ほしい情報は日本語で書かれているとは限らない。卒論・修論で研究テーマをちゃん勉強したかどうかは、既存の研究部分の内容で決るといっても過言ではないのです。
研究のオリジナリティー
(セールスポイント)

「研究」は、ほとんどの場合「既存の研究」の上に成り立っています。自分の研究の意義(新しさやオリジナリティー)は,過去の研究との比較で初めて明らかになる。すなわち、ニーズとシーズをわきまえないと、シーズばかり追いかけてニーズがなければその研究価値は半減することもあります。しかし、もちろん、今ニーズがなくとも将来考えられるニーズであるかどうかも検討する必要はあるのです。こういう点を踏まえながら、

  • 「どういう点が新しいのか」
  • 「何を初めて明らかにしたのか」
  • 「何を初めて成し遂げたのか」

といった点を日々考えてほしいと思います。
「新規性」や「オリジナリティー」という名で呼ばれるものがその研究の価値の大半を占めます。したがって,高価な装置を使った研究が優れた研究であるわけではなく,安価な装置を使った優れた研究はいくらでもあるのです。
 新規性の高い研究は、はじめは理解されないことも多いため、学会発表の場では槍玉にあげられることもあります。しかし、そこで屈することなく、自分が想定した問題を解決するために前進する過程の中に新たな発見もあるのであるのです。

研究はひとりでは行えない 「研究」はひとりの力で行えるものではなく,仲間の協力が必ず必要となります。研究室での生活は集団生活であるから,ルールを守らないと仲間達に大きい迷惑がかかることがあります。したがって、椋木研究室では、実践五項目を暗記し、これを守らない者は研究をさせないことになっています。

椋木研を希望してもいいかなぁと考えている皆さんへ

椋木研究室は、普段は、卒業後や大学院での国際的な活動もできることを視野に入れて、椋木は研究室の学生さんに対し(もちろん日本で働くことも考慮して)、きびしい「しつけ」もやっています。
だから今風に言えば、「うざい」と感じる人もいるかもしれません。しかし、卒業していく頃、卒業生の皆さんは、自分たちがびっくりするほど自分たちの中に眠っていたポテンシャルを引き出すことができて、自らに満足しているようです。
自分自身に対し、そして学生さん自身に対し「鉄は熱いうちに打て!そして、真金になれ!」との思いで、自立できる、そして、人に勝てなくても自分に負けない人材育成を目指して、研究室を運営しています。

留学生が多いので、研究室では基本、英語でのコミュニケーションになります。そういう力も身に着けたいと持っている人にはちょうど渡りに船かもしれません。また、研究テーマが決まらない人(何がやりたいかまだ分からない人)でも、問題ないと思います。つまり、何がやりたいかを見つけたいと思って努力していれば、全く問題ないと思っています。
それよりも、いまは何に役立つかわからないけれども、じっくりと力学の基礎、論理的思考の基礎作りに励むことがむしろ大事だと思うので、もしわれわれの研究室に来たら、一緒にじっくり勉強したいと思います。