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地域資源

曽木の滝分水路の一般公開イベントとして、2011(平成23)年12月11日(土)、曽木はっけんウォーキングを開催した。地元NPO、住民、学識経験者、行政機関からなる曽木の滝周辺活性化検討会(伊佐市が設置)にて計画された。検討会メンバーであるNPO法人バイオマスワークあったらし会が主催し、参加者・スタッフ合わせて100名以上の伊佐市民が参加した。小学生から80代まで、様々な世代の市民が集まった。あったらし村を起点に、新曽木大橋、曽木の滝分水路、曽木発電所遺構導水路跡など、曽木の滝周辺の地域資源を巡る約3kmのルートを設定した。オリジナルマップやガイド冊子を持って歩くことで、普段では見落としがちな地域資源や自然を“はっけん”した。健康促進、地域学習に加えて、市民交流の機会となった。この取り組みは地域資源を活用した新たなイベントとして定着すべく、第2回曽木はっけんウォーキングが2012(平成24年)年7月22日(日)に開催された。

【イベント広報チラシ】
伊佐市発行の広報誌に折り込みチラシで参加者を募集。第1回イベントは地域づくりの観点から伊佐市民限定とされた。

【オリジナルマップ&シール】
「わくわく」「あぶない」など5つのポイントを、各自がプロットしながら歩いた。マップは研究目的で回収され、後日、イベント報告書とともに参加者に返送された。

 

【ウォーキングの様子】
イベント前日に開講した観光ガイド講座生も参加。地元コミュニティ協議会の協力で、地域特産の伊佐米、黒豚、有機野菜の昼食も提供された。会場には大きなマップも準備され、参加者全員で「いちおし」ポイントをプロットした。

□曽木の滝分水路:初の一般公開

曽木はっけんウォーキングは、曽木の滝分水路初の一般公開となった。イベントの目玉として、「景観デザイナーと工事に携わった現場監督による現地解説」が行われた。公共事業完了後に、設計・施工関係者が利用者と接する機会は珍しい。参加者は分水路内を自由に歩き回り、小魚が泳ぐのを発見したり、岩肌を背景に写真撮影するなど、思い思いに過ごした。

 

 

【参加者の感想】

  • 地元にいて初めて分水路成るものを見学し、感動しました。地元にもこのようにすばらしい名所ができたことを誇りに思いました。
  • 分水路出水曽比を孫としてみたいと思います。
  • 初めての場所が多くて今回参加してとても良かった。特に、分水路の広大さにびっくり、感動でした。地元に住みながら知らない所がいっぱいあるのが恥ずかしい気持ちになりました。また、分水路がとても良かった。苦労してつくられたのだな〜と感激。
  • 施工前の説明で、粘土で模型を作ってあったと話されたとき、そこまで研究され議論されての工事関係者の熱意に頭が下がった。
  • 文字通り曽木はっけんを感じた1日でした。これまで、数多く曽木の滝公園には来ていますが、今回のウォーキングのように全体的に見る歩く楽しむという形の経験はなかったので新しい発見をした思いです。分水路の工法を聞き、公共工事も施工方法によって大きいプラスが生み出されることも強く感じました。

曽木の滝周辺の地域づくり

 

曽木の滝周辺では、これまでのハード整備に偏った地域開発を見直し、ソフト整備と合わせた総合的な地域づくりが行われている。これは、曽木の滝分水路をはじめ、新曽木大橋、曽木発電所遺構、ビオトープといった新たな地域資源を積極的に活用し、市民と来訪者との交流人口を増やそうとする取り組みである。曽木の滝分水路は防災施設としての機能に加え、無垢の岩々、せせらぎ、豊かになっていく森など、地域を凝縮した空間である。周辺の地域資源と連携することで、地域住民や観光客自身が、多彩な活動を展開できる場所であると考えている。

NPOによる活動

曽木の滝下流で年1回、ホタル舟遊覧を行うほか、曽木はっけんウォーキングなど、曽木の滝周辺の地域資源を活用した取り組みを行っている。NPO法人バイオマスワークあったらし会が中心に活動している。

観光ガイド導入

伊佐市産業活性化協議会により2011年試験的に行われた観光ガイド講座修了生15名によるボランティアガイド。曽木の滝の見所や分水路など、受講生で選考した「曽木の滝八景」を案内する。

曽木の滝公園観光拠点施設

2012年3月に伊佐市が設置した新施設。観光ガイド受付や観光スポットに関する情報を提供する。周辺の観光拠点16ポイントを紹介するカードは、「No.7 曽木の滝分水路」もある。屋上は展望台となっている。

新曽木水力発電事業

伊佐市、日本工営(株)及び新曽木水力発電(株)による、曽木の滝の落差を利用した小水力発電事業。旧曽木発電所の取水設備を利用。再生可能エネルギーの学習型観光・教育啓発活動を推進する。平成25年4月稼働開始予定。