
県庁(土木職)のキャリアパス

卒業生経歴
宮崎県県土整備部長 児玉 宏紀 氏

学生へのメッセージ
私は河川行政をやりたくて、大学では下津先生の指導のもと河川水文学を勉強し、県庁に入ってからは、経歴に記載のとおり7割は希望した河川に関する業務に携わらせて頂きました。
しかしながら、一度だけ「なんで今さらこんな仕事をやらされるのか」と思うような、自分としては大変不満な人事異動がありました。しばらくして、「ふてくされていても仕方ない。ここでやりがいを見つけてがんばるしかない。」と思い直すことができ、結果としてその職場でも新たな知識を身につけることができました。
そこで、若い皆さんにひと言

心の持ち方ひとつで、世界はまったく違って見えてきます。与えられた場所で生き甲斐を見いだし努力すれば、それが必ず身につくと思います。
しかしながら、人生は長いですから、がんばりすぎては体が持ちません。心と体の健康を保つためにも、頑張りすぎずに上手に息抜きすることが肝要かと思います。
そこで、さらにひと言

メッセージは以上です。若い皆さんのご健闘をお祈りします。
これまでの主な経歴


① |
・流出解析、河川改修計画策定
・樋門、樋管断面算定指針作成
|
② |
・開通式 6回 (鉄道高架、日南高岡線、宮崎高鍋線、パークウエイ等)
・新規着手、都市計画決定 (宮崎西環状線、R219号春田バイパス等) |
③ |
・多自然型川づくりの推進 |
④ |
・住吉海岸 懇談会設置・・・地域の意見を計画に反映させるため
・座礁船撤去(本県初の海岸法に基づく行政代執行) |
⑤ |
・2年続けての大水害 ・・・ 危機管理対応
・宮崎須木線用地補償(本県初の土地収用法に基づく行政代執行) |
⑥ |
・大淀川、五ヶ瀬川激特事業
・一ッ瀬ダムの濁水対策
・耳川水系総合土砂管理
・官製談合事件発生 |
インタビュー
中華人民共和国 木橋調査
(2010.2 浙江省 泰順 於)
■ プロフィール
熊本県土木部
上月 裕 氏
■ 卒業年度
学士:昭和61年3月(昭和60年度卒業)
修士:昭和63年3月(昭和62年度修了)
博士:平成19年3月(平成18年度修了)
Q.在学中の思い出は?
学部時代は、部活(少林寺拳法)に没頭していました。それと、外せないのが、運動会!土木団の全盛期だったので、恐ろしくも楽しい?体育会系の日々でした。4年で研究室に入り、崎元先生(前学長)との出会いにより、研究の楽しさ、厳しさ、奥深さを知りました。修士時代はバイトでお金を貯めては、リュックひとつで、欧州や米国を放浪していました。今思えば、本当に好き勝手していました・・今でも一番戻りたい時代です。
Q.現在のお仕事は?
熊本県土木部港湾課で、港湾の建設と維持管理に関する仕事をしています。このなかで、県内の港湾施設のアセットマネージメント計画を策定中です。また、水俣病の原因物質の水銀汚泥を封じ込めた水俣湾の護岸の老朽化と耐震対策の委員会を運営しています。松田先生に委員長に就任いただき、北園先生や国の研究機関の方々等と議論を重ねながら、対策を検討しています。前例のない構造物に対する検討で、難しい面もありますが、技術者として充実した仕事をしています。
Q.お仕事の魅力は?
私達の仕事は、住民と接する身近な仕事から大プロジェクトまで、多種多様な仕事に携わらなければなりません。このような仕事を通して、様々な世界を知ること、幅広い経験ができることは、大きな財産だと思います。私自身、過去を振り返ると、道路、景観、水道、公園、地下水等々・・・多種多彩な業務に、技術者として携ってきました。また、技術者の視点と併せて、行政者としての視点を持ちながら、地下水の涵養や前述の水俣湾護岸老朽化及び耐震対策等、県ならではの大きな仕事が出来ることも大きな魅力です。
Q.これからの展望は?
仕事面では、今後も様々な業務に挑戦し、行政者としても技術者としてもゼネラリストを目指していければと考えています。一方、個人としては、十年来続けている“木橋や屋外の木構造物の研究”を続け、この分野のスペシャリストを目指したいと考えています。云わば、ライフワーク的なものです。(笑)
Q.新入生・在学生へのメッセージをどうぞ!
現在の自分は、母校である熊本大学が育ててくれたと思っています。皆さんも、将来、大学に感謝できるような、充実した学生生活を送ってください。そして、いつか何処かで“土木”という名の下に、皆さんと一緒に仕事ができることを願っています。がんばってください。
その他の業種
|