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熊本大学 工学部 社会環境工学科 / 大学院 社会環境工学専攻

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椋木先生,大津先生,高校生に熱く語る

さる12月4日土曜日に,スーパーサイエンスハイスクール(SSH)活動の一環として,熊本県立第二高校4名の学生が社会環境工学科を訪れ,講義と演習を楽しんだ。

本年度担当したのは,椋木俊文准教授と大津政康教授である。

午前中は,椋木先生の「大雨が降るとなぜ土砂災害が起きるのか?土中内における水の毛管作用の秘密に迫る」である。
はじめに,「小麦粉」ならぬ「土の粉」に水を加えて土の柱を作り,その強度を計測した。受講生は二手に分かれ,あらかじめ見本として用意されていた土のサンプルを参考に,それぞれのグループで水を加える量を決めた。一方は25%,もう一方は35%である。結果,どちらの土柱が強かったのか・・・。土が固まるとはどういうことか? そのサイエンスを垣間見ることが出来たようである。
次の演習?は,地滑りと液状化現象である。液状化現象では,お手製の装置から水が漏れるといった先生も冷や汗をかくようなアクシデントもあったが,再チャレンジで何とか成功。まるで水のように液状化していく地面と,それに建物が沈んでいく様子が十分に実感できたのではないか。さらに液状化に対しては,どのような対策が必要となるのか? 物理的メカニズムを理解することの重要性を理解してもらえれば嬉しい。

午後は,大津先生による「地震の発生機構を微小破壊から知ろう」である。
まずは,社会環境工学や土木工学(Civil Engineering)の大切さと面白さの紹介である。先生の思いが受講生に伝われば嬉しい限りである。次は地震の話。おそらく中学や高校の理科で習う地震であるが,アルミの空き缶を壊す演習からはじまった。アルミ缶を壊すことが,地震の発生メカニズムの理解に,さらにアコースティックエミッション(AE)の理解につながることとなる。ここで,しばらく物理と数学の講義。バネの振動から波動方程式を導き,それを解く。高度な内容だが,理屈はとても分かりやすく,大学の講義がいかなるものかを分かってもらえたのではないか。最後はAEの実習である。紙や木,発泡スチロールなどを壊すとき,その前後に発生する弾性波,これがAEであることを実感できる。地震が起こる前のAEを測定することで,果たして地震が予知できるのか?ここで再び数学を使うことの大切さが説かれた。ちなみに,研究紹介のビデオでは,30年前の大津先生の姿が映し出され,TA学生などの身内に大受けであった。

ともすればツルハシとヘルメットの印象だけが強い土木工学や社会環境工学であるが,その奥底にあるサイエンスと面白さがぎっしり詰まった体験講座であった。

文責:川越

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