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熊本大学 工学部 社会環境工学科 / 大学院 社会環境工学専攻

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環境土木工学特別演習第二の講演会セッション2(第3回〜第5回)

photo第三回目(11月25日(金))は山田助教授の「地球温暖化と沿岸域の防災・環境」。普段聴き慣れているにもかかわらず、少々わかりづらい「環境」の説明から始まった講演。先生流の環境のとらえ方を押しつけるのではなく、技術者として自分なりの「環境」を定義する方法の提示でした。環境の大部分は物理環境で決まってくる、という一定義からは、学生に土木環境技術者・デザイナーとしての道を見つけて欲しい、とのメッセージが秘められていたのではないでしょうか。そして、今すぐにできること、として挙げられた3つの項目−@現実に起こっている問題に関心を持つことA実際に現地を自分の足で歩き、自分の目で問題点を確認することB温暖化は避けられない。とくに、最後のメッセージに続く、「防災・環境・地域・景観に配慮できる土木環境技術者(デザイナー)を目指してください」という言葉は、様々な分野で技術者を目指す受講生一同、胸に留めた言葉ではないでしょうか。

photo第四回目(12月2日(金))は、川越助教授による講演。これまで「環境」と名の付く先生の講義を受けてきた受講生に対して、「環境という言葉は好きじゃない」との一言。小学生の頃に公害に興味を持った、という経験から公害=環境問題という観念に疑問を呈するものです。「環境というのは生物だ。土木ではない。」土木を学んでいるから、とすべてを土木分野で括ろうとしがちな学生へ一喝でした。一時期大きな社会問題となった「環境ホルモン」の本当の恐ろしさとは。人類だけで生きていけるのか。これらは果たして、環境を専門とする者のみが考える問題なのでしょうか。ベースのところで話ができない人間はダメだ、との言葉は、土木界のみでなく今後社会へと出て行く受講生に対しての少し厳しめの、励ましのメッセージ。学生が自分の研究分野のみにとらわれかけている、との危惧は、多くの学生の意識に大きく響いたようです。

photo助教授シリーズ最終回の第五回目(12月9日(金))は、柿本助教授による講演。前回、前々回と続いた環境の話とは打って変わって、先生の専門は、土木計画学。そして、出てくるキーワードは経済。土木分野ではなかなか馴染みが薄い経済の話ですが、社会基盤施設を多く取り扱うにあたっては、なくてはならないものです。昨年開設された政策創造研究センターに所属となったことを受け、同センターとはどんなことをやっているのか、併せて紹介がありました。講演の本題は「暮らしと経済・行動モデルの世界」。様々な計画を評価する一手法として、コストに換算して評価したものの実例を交えて話していただきました。学生時代の話から、政策創造研究センターの概要やご自身の研究の詳細まで、と盛りだくさんの講演にも関わらず、学生との対話に充てた時間は30分。専門分野に対する質問から趣味の映画・格闘技・読書の話にいたるまで、受講生全員の声に耳を傾けた講演会。土木計画、あるいは先生に対する印象がガラリと変わった学生も多かったのではないでしょうか。

5回にわたる助教授シリーズ。学生は、普段の講義とは違う各先生方の研究者としての一面を見ることができたのではないでしょうか。また、教育者として、学生に向けられたメッセージは、今後それぞれに土木技術者としての道を歩んでいく受講生に、強く響いたことでしょう。



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