未曾有の人的・物的被害をもたらした平成23年3月11日の東日本大震災を受け,同年5月に学識経験者委員
ならびに防災関係機関委員からなる熊本県地域防災計画検討委員会が設置されました.
委員会内には専門分野を考慮して広域連携・情報,地震・津波,避難支援に関わる三つの検討部会が設置され,
約2年間に亘り本県で起こりうる地震・津波による被害推計や,大規模・広域災害への対応体制および住民避難
体制に関して議論を重ね,成果を取りまとめ蒲島県知事に報告がなされました.
本学科からは松田泰治教授(検討委員会会長),山田文彦教授(地震・津波被害想定部会長),北園芳人教授,
柿本竜治教授の4名が参加致しました.
地震・津波による被害推計については最新の科学的知見に基づき,熊本独自の地形や地盤の地域性を最大限
考慮して評価を行い,最悪のケースでは16市町村で震度7を記録し,死者960名,全壊建物28000棟,津波に
よる浸水域は16200ヘクタールなど甚大な被害が発生する可能性があることが明らかとなりました.
また,これらの被害推計と平行して,「災害情報の収集・伝達」「緊急救助・保健医療」「住民避難支援」「地域防
災力」「ボランティア活動」「災害に強い街づくり」などの観点から地域防災計画の見直し事項の抽出を行いました.
今後は本報告を地域防災計画の見直しに反映させるともに,計画に基づく具体的な取り組みの検討・実施に
十分活用していくことが重要です.
今後,本県で発生するかもしれない自然災害に対して,しっかりとした備えを講じ,平時からあらゆる災害を想定
し,「自助」,「共助」,「公助」の観点の下,県を挙げて防災力を高める取組みを一層進めることが求められます.
防災計画にゴールはなく,「人命を守り,被害を最小化する」という信念のもとに,今後も最新の知見等を取り
入れて,不断の見直しに取り組み防災・減災体制のさらなる充実・強化が図られることが期待されます.
熊本大学では積み残された課題については新しく設置された減災型社会システム実践研究教育センターを
中心に検討を進めることになります.

最終報告書を蒲島知事へ提出

松田教授と蒲島知事

報告会の様子(右から二人目が松田教授,左端が山田教授)

報告を受ける蒲島知事と危機管理防災課の担当者

平成25年3月30日熊本日日新聞記事
4月4日に平成25年度の社会環境工学科入科式を行いました.
学科長の柿本教授より祝辞と,教員,技術職員,事務員より自己紹介とメッセージが,新入生に伝えられました.


3月31日に岡田憲夫教授が定年によりご退職されました.
熊本大学では1年間という短い期間ではありましたが,とても濃密な時間を過ごさせていただきました.
謝恩会では「転がる石には苔は生えぬ」のことわざにちなんだ素晴らしい激励もいただきました.
本当にありがとうございました.
先生の新地でのご健勝と益々のご発展を祈願しております.
