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熊本大学 工学部 社会環境工学科 / 大学院 社会環境工学専攻

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トピックス

2005年12月 のバックナンバー

スーパーサイエンスハイスクール体験学習講座が開催されました

「スーパーサイエンスハイスクール」の研究開発学校に指定されている熊本県立第二高校では、自然科学教育に力を入れ、大学との連携を進められています。昨年度に続き,今年度も,熊本大学工学部での体験学習講座を計画され,環境システム工学科では,下記の3講座が行われました。

photo川越先生:「きれいな水をつくる」をテーマに、一般浄水プロセスに使われている凝集沈殿操作と高度処理に用いられる活性炭吸着処理のモデル実験を行った。
ビーカーやメスシリンダーなどの実験器具を使い、自分たちでカオリン(濁り)とメチルオレンジ(色度)にて合成試料水を作成、ジャーテスターや分光光度計等の専門機器も使用し、水質浄化技術の一端を興味深く体験してもらえたと考えている。また凝集実験では、凝集剤の最適添加量の予想をクイズ形式にしたのが好評だった。

photo松田先生:「揺れのメカニズムを探る」をテーマに,振り子の模型を制作してまず構造物には固有の周期があることを実際に測定して理解してもらいました.次に3種類の振り子を一本の棒に取り付けて同時に全ての振り子は揺れず,共振した振り子だけが揺れることを体感してもらいました.このほか2連振り子による共振現象や小型振動台による共振現象を見せて構造物が共振した場合に被害が増大することを理解させました.TAによる解説にはまじめに耳を傾けていました.
まだ2年生ということもあり進路に関しては未定の人も多かったようですが,社会環境工学科のPRには役立ったのではないでしょうか.

小林先生:「風景をデザインする」をテーマに,100分の1の図面と模型を用いて、白川・明午橋の橋詰空間のデザインを行ないました。まず、図面を基に、トレーシングペーパーを用いて広場のデザインを行ない、次に、時計台やベンチなどのストリートファニチャーの模型を作成し、最後に、それらを用意した模型にデザインし、CCDカメラを通してデザインされた空間を仮想的に体験しました。
図面を見るのも、模型を作るのも初めてということで戸惑いもあったようですが、手が動き出すと、いろんな発想が湧いてきて、みなさん積極的に取り組んでいました。

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3年生が和泉トンネル(九州新幹線)を見学しました

講義「地下空間工学」を受講している3年生,および4年生と大学院生の有志が和泉トンネル(熊本市釜尾町)を見学しました。和泉トンネルは九州新幹線鹿児島ルートの溶結凝灰岩,凝灰角礫岩中を貫く延長1225mのトンネルであり,上熊本駅の北側に位置しています。NATM(New Austrian Tunneling Method)が採用され,ロードヘッダーによる機械掘削です。現場事務所に到着した後,現場へ。坑口から約500mの切羽まで徒歩で移動する途中,2次覆工のためのセントル,インバートコンクリートの打設,ロードヘッダーなどを見ながら説明を受けました。また,切羽では吹付コンクリートの施工を見学しました。大学の講義で習った施工方法を実際に経験することができたことは,学生にとって貴重な経験であったと思います。

お忙しい中,大勢の学生の見学を受け入れてくださいました前田建設工業鰍フ高山所長をはじめ現場の皆様,および熊大の卒業生(平成7年卒):北澤氏に感謝いたします。

見学日: 12月14日(水) 13:00〜15:00
見学者: 3年生6名,4年生10名,大学院前期課程学生1名,後期課程学生1名, 教員2名(尾原,椋木)

photo左:北澤氏による現場概要説明
右:ロードヘッダーのカッター部

photoトンネル内の様子:左
参加者(トンネル坑口にて):右




「土木の日」と「くらしと土木の週間」

「土木の日」は1987(昭和62)年11月に社団法人土木学会(全国の大学の先生など土木工学の研究者で組織する団体)によって提唱されました。
土木学会の前身である「日本工学会」の創立日(明治12年11月18日)を記念して毎年11月18日を「土木の日」と定めました。また,11月18日から11月24日までを「くらしと土木の週間」と定めて,この期間を中心に全国各地で土木に関する広報活動や社会貢献活動が展開されています。
そこで,今年も環境システム工学科土木環境教室からは,「土木の日」熊本地区実行委員会(委員長 小林一郎 熊本大学工学部環境システム工学科教授)を通じて積極的に参加しています。

【土木フェア】
主催:「土木の日」熊本地区実行委員会
10月22日(土)快晴の中(風が強かったですが)、熊本市を縦断する白川の泰平橋から白川橋にかけての左岸河川敷にて『防災』をテーマに開催され,1500名の一般者,特に子供連れの皆様に来ていただきました。地震、水害、土石流、情報把握等の『体験』や各災害の『展示』、模型や実験による『実演』が行われました。
特に、環境システム工学科からは都市防災研究室(松田泰治教授)の有岡自然君と田中康二君(ともに4年)が卒業研究の内容と関連して,「免震構造」を模型を使って分かりやすく解説したり,コンピュータグラフィックスを用いた「避難における集団行動シミュレーション」を展示して好評を得ました。また,災害を減らす、様々な技術や工夫を学ぶ『防災教室』では,松田泰治先生の福岡県西方沖地震についての解説や防災についてのお話をしていただきました。

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【土木遺産探訪ツアー】
主催:熊本市
11月12日(土)募集によって選ばれた80名の方々と緑川水系の石橋群を環境システム工学科の山尾敏孝教授(構造力学)による解説を聞きながらめぐりました。

【建築技術フェスタ「くらしの防災展」】
主催:日本建築構造技術者協会九州支部
11月18日(金)〜20日(日)の三日間にわたり,大正時代の景観を今に残す中唐人町にあるピーエス・オランジェリ(旧第一銀行)にて,地震防災のための建築構造技術展示会が行われました。建築物が展示対象でしたが,やはり地震と都市防災という点では「土木」は深く関わっています。そこで建築展示会であるにもめげず,環境システム工学科からは都市再生・インフラストラクチャ維持管理工学研究室(重石光弘助教授)から大学院1年の前田誠司君と4年秋山謙二郎が,新聞古紙をハニカムボードとして内装壁材としてリサイクルし,しかも燃えないという「不燃化紙ボード」の試作展示と発表を行いました。展示会は建築技術に携わる専門家の方々が多く訪れましたが,興味深く「不燃化紙ボード」の解説に聞き入ったり,質問をされていました。また,展示会場内のセミナールームでは『防災教室』が開かれ,重石光弘助教授が『地震(じしん)のしくみ』について,小学生にも分かりやすく,また興味を持ってもらおうと解説されました。
250名の一般市民の方々にお越しいただき,特に近所の方や,近く住まいを持とうとされる方々が興味深く観覧されていました。

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【九州デザインシャレット2005展】
主催:熊本大学工学部環境システム工学科(施設設計工学研究室)
熊本の「土木の日」は「くらしと土木の週間」では終わりません。いわば,「365が土木の日」という観点から,関連行事は来年にも開催されます。
平成18年1月20日(金)から25日(水)にかけて,熊本市上通り商店街に近い,熊本大学工学部まちなか工房にて,九州デザインシャレット「市民のためのウォーターフロントデザイン」作品展覧会が開催されます。おそらく熊本では初めてとなる土木景観デザインについての展示会となるでしょう。
ご期待ください。後日詳報します。

※また、11月18日を漢数字(十一月十八日)で書き、組み合わせると
「土木」となることも理由の1つです。





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